ロングテールSEOとは?
ロングテールSEOとは、2つ以上の単語で構成されるキーワード(複合キーワードやテールワードとも言います。)を軸にそのキーワードで検索ユーザーの求めるコンテンツをウェブサイト内に作成して集客を行う施策 / SEO戦略です。
キーワード単体での集客は小さいですが、競合となるコンテンツは少ないのが特徴です。
個々のキーワードに対してユーザーの求めるページを作成していく為、安定した集客に結びつけていく事ができますがページ数は多くなる傾向があります。
複合キーワードの例
z例えば、「ダイエット」というキーワードを軸とするならば、ロングテールで上位表示を狙う複合キーワード候補は以下の通りです。
- 「ダイエット 運動 おすすめ」
- 「ダイエット 運動 時間」
- 「ダイエット ウォーキング 効果」
- 「ダイエット 食事 メニュー 女性」
このような複合キーワードでよく検索されるものにマッチするコンテンツを作成していきます。
傾向としては、複合キーワードにターゲットを絞ってコンテンツを増やしていく事で、ウェブサイトに訪れるオーガニック検索ユーザー数のうち20%がビッグワードによる検索キーワードで、80%が2個以上のキーワードのコンビネーションで構成される複合キーワード(ロングテールキーワード)となります。
検索ユーザーが使用するキーワードにマッチした有益なコンテンツが多ければ多い程、様々なページから検索経由のトラフィックを呼び込む事ができ、ロングテールでの集客を実現できます。
ロングテールの由来
パレートの法則とは逆の概念になります。
実際の店舗では売れない商品の在庫の為にスペースを確保してまで陳列しません。その為、全体の2割のメイン商品アイテムが店舗の売り上げの8割を占める傾向があります。
その後インターネットが普及しECサイトでの販売が定着してくると、パレートの法則と異なる現象が起きます。
インターネット上では、陳列、品出しが不要の為取り扱うすべての商品をサイト上で販売することができる為、
Amazonを代表にショッピングサイトでは、商品数のうち売れないとされる8割が売り上げの多くを占めるといった現象が起こります。このようなショッピングサイトの販売手法を説明するために、アメリカWired誌の編集長であるクリスアンダーソン氏によってロングテール理論が提唱されました。
ロングテールSEOは、このロングテールをSEOに当てはめたものです。
「ロングテールSEO」は、一定の検索ボリュームがあり、競合が少ないニッチワードで多くのページに対してSEOを行うことにより、結果的にオーガニック検索からの訪問者のおよそ8割がニッチキーワードによる集客となります。
SEOは本来1~2個のキーワードで集客するものではありません。100ページを持つブログサイトであれば、それぞれ異なるキーワードで検索されるようにコンテンツを改善していく事で、訪問者との接点を増やし、集客につなげていく事ができます。
ロングテールSEOのメリットとデメリット
ロングテールSEOとビッグワードのSEOの手法は根本的に異なり、どちらもメリットとデメリットがあります。
ロングテールSEOのメリット
- 比較的競合が少なく、上位表示されやすい
- ページごとに集客できる為、ウェブサイト全体で見ると順位変動の影響が少ない
- 絞り込まれたキーワードの為、ユーザーのアクションに結びつきやすい
ロングテールSEOのデメリット
- ミドルワード・ビッグワードで上位表示されにくい
- ページ数が多くなる為情報の管理に手間がかかる
- 似たようなトピックのコンテンツが増えて評価が分散する
Googleのアルゴリズムでは、同じキーワードでSEOを行ったとしても、検索結果に同一ドメインで複数ページが掲載されるケースはほとんどありません。
検索結果に一社独占のような状況を作る事は検索ユーザーにとっても偏った情報を伝える事にもなる為、多様性をある程度持たせていると思われます。
継続的に有益なコンテンツを作成していく事で、オーガニック検索からの集客も地道に増やす事ができます。
GoogleのMatt Cutts氏が以前に説明していたカタマリ理論というウェブ集客方法が考え方としては参考になるでしょう。
小さなサイトが大きなサイトに勝つためのカタマリ理論とは?
ビッグワードSEOのメリットとデメリット
ビッグワードは検索ユーザーの意図が曖昧な為、検索エンジン側も様々な意図に対応できるコンテンツや、多様性を持たせた検索結果を表示します。
例えば、「うどん」で検索すると、うどんの意味やうどんのレシピ、うどんのお店、うどんのニュースなどが検索結果で表示されます。(この結果のどれかがユーザーの意図にマッチしてれば良いという考えですね。)
ビッグワードSEOの方法
通称QDDと呼ばれるアルゴリズムが働く為、他の競合とは異なるタイプのコンテンツを作成するか、ビッグワードで検索される際に想定できるユーザーの意図を全て網羅したコンテンツを作成していきます。
ビッグワードSEOのメリット
- 上位表示されればかなりのトラフィックを見込める
- ブランド認知に大きく貢献する
- トピックが分散しない
ビッグワードSEOのデメリット
- 上位表示の難易度はかなり高い
- 一つのページに集客を依存してしまう為、順位変動に一喜一憂する
- テールワードを競合サイトに拾われやすい
ビッグワードによるSEOは、短期間での上位表示は難しいと言えます。
ビッグワードにターゲットを絞ってSEOを行う場合には、ビッグワードの特性を理解してコンテンツを作成しなければならず、ビッグワード自体の分野の専門知識や、SEOのノウハウ、作業時間は必要となるでしょう。
これからSEOに取り組む場合にはまず着実にテールワードで集客していく方法が効率的かもしれません。
長期的な視点でサイトを育てていくのであれば、まずはニッチワード(複合キーワード)でのSEOを継続的に行いましょう。
ニッチワードによるSEOでコンテンツの質を高めていき、集客できる状況になってからビッグワードを狙いに行っても遅くはありません。
その場合は、ニッチワード狙いの既存コンテンツをベースにビッグワードをカバーできるようにトピックを含めながら強化していきます。
ロングテールキーワードを調査する方法
サイトに十分なコンテンツが無い場合は、キーワードの検索ボリュームをもとにコンテンツを作っていくという事が集客の近道です。 その場合は、「キーワードサジェストツール」などを使用して、キーワードの検索規模やサジェストのパターンを調べ、クエリ選定を行います。
詳しくは、「SEOクエリ選定のコツと1ページで意識するキーワード数」で解説しています。
ビッグワードを軸に、候補となるキーワードと検索ボリュームを確認しながらキーワードにマッチするコンテンツを作成していきます。
例えば50件ぐらいの月間検索ボリュームであっても、CVRが高い(アクションにつながりやすい)キーワードである可能性もあるので、クエリの意図を理解した上で対策するキーワードを選びましょう。
ロングテールSEOの注意点
「各ページ異なるキーワード」という部分のみばかり意識してしまうと、知らずにドアウェイページを作成してしまっている場合もあるかもしれません。
ドアウェイページとは、コンテンツの内容はほぼ同じで、タイトルや見出しのみを一定の組み合わせ(例えば「地名+メインキーワード」)で変化させてページを大量に作成する手法です。
「歯科」というキーワードを軸に、「札幌 歯科」、「仙台 歯科」、「名古屋 歯科」でキーワードだけを変えたほとんど同じ内容のページを作ったりなどが考えられます。
※地名を使ったドアウェイページは良く見かけるドアウェイページの手法です。
ドアウェイページはGoogleのガイドライン違反となり、ウェブサイトの評価が下がるばかりか、最悪インデックス削除にもなります。
きちんと時間をかけて、訪問者に役立つコンテンツを作成するように心がけましょう。
ロングテールSEOで躓きやすい部分
ロングテールSEOを途中で挫折してしまっているサイトは良くみかけます。
成果が出ない場合や、SEO専業ではない為に他の仕事により時間が作れない場合は、モチベーションが維持できないと思います。
ロングテールSEOのアイデアは枯渇する
キーワードツールをもとにロングテールSEOを行った場合、遅かれ早かれそのアイデアが枯渇していきます。その場合新しいページを作るといった事がだんだん難しくなるでしょう。
似たようなトピックで新規にコンテンツを作っても評価は分散してしまいます。
一定の範囲のキーワードをカバーできたのであれば、次に行う事は既存ページのメンテナンスとビッグワード狙いのSEOです。
集客が出来てきたら導線改善が重要
情報収集目的の検索は購買への最初のステップ
商品名、会社名などのブランド名での検索はCVRが高いというのはご存知だと思いますが、全ての訪問者が一回目の訪問でコンバージョンへと結びつくわけではありません。
当サイトをアナリティクスで確認すると以下のようなステップでコンバージョンに結びついています。
ロングテールSEOで集客に成功していても、コンバージョンへと結びつかないのであれば、以下のような理由が考えられます。
- サイトの情報に信頼性が無い
- 導線がわかりにくい
- 商品名やブランド名に気が付きにくい
これらに対しては以下の項目についてを改善するようにしましょう。
頻繁に見られるページの質を上げる
ロングテールSEOを行って訪問者がはじめてサイトに辿りついたのであれば、有益な情報を提供して、訪問者の満足度を高めます。
あまりにもSEOばかり意識しすぎて、文章の体裁が整っていない場合や、リンク先のページが404であったり、画像が表示されなかったりすると逆効果です。
情報が古い場合もメンテナンスされていないと見られ信頼されません。
ページの情報の質を高める事、読みやすさを追求する事で改善する事ができます。
ブランド名を自然に覚えてもらう
訪問者にブランド名、会社名を認識してもらえれば、今後何かの機会に再度訪問してくれる可能性は高くなります。
その際に心がける事としては、コンバージョンと関連するブランド名をわかりやすい場所に配置し、閲覧中に覚えてもらえるようにする事です。
また、コンテンツと関連性が高い場合は、本文中にもブランド名を使用してみましょう。
あまり宣伝色が強いと目障りとなる為、過剰に含めないようにしましょう。
分かりやすい位置にリンクを配置する
最初の訪問、二回目の訪問で商品やサービスに興味をもってもらえれば、サイドバナーやグローバルメニューを通してそのブランド商品・サービスについての内容を見てもらえます。
機会があれば最後に商品のブランド名で検索してコンバージョンへと結びつきます。
以上がロングテールSEOの方法となります。当サイトでははじめの頃はロングテールSEOを意識しながらコンテンツを作成していましたが、現在はミドルワード、ビッグワードを狙えるようになってきています。
コンテンツの質を意識し、訪問者の役に立つコンテンツを通して信頼を獲得できるように今後もコンテンツ改善を行っていくつもりです。
当サイトのロングテールSEO実証例
当サイトでの実践結果は以下の通りです。はじめた頃は右も左もわからない初心者でしたが、徐々に集客を伸ばしています。
SEOの管理ツールを活用し始めた2015年の9月位からは、キーワード順位の管理が効率化され、古くなったコンテンツに素早く気付く事ができるようになり、注力するキーワードの優先順位付けも素早くできるようになりました。
ロングテール狙いでコンテンツが増えてきた場合には、SEO管理ツールを導入する事で更に効率的にウェブを運営する事ができます。
ロングテールSEOでコンテンツが増えてくると、場合によっては、以下のグラフのように検索順位が徐々に落ちてくる事もありますので、個々のキーワードの順位推移を把握していくと良いでしょう。時には既存コンテンツに最新の情報を含めて更新する必要も出てきます。
キーワードの順位やSERP(サープと読み、検索結果ページを意味します)を分析する場合には、PCを立ち上げなくても自動で定期的に順位取得を行ってくれるクラウドタイプのSERPチェッカーがおすすめです。SE Ranking の「検索順位取得」機能なら、パソコンで検索した際の順位以外にも、スマホ検索順位や、特定の地域の検索順位も正確に計測する事ができます。
ロングテールキーワードも含め、全てのキーワードを検索順位セクションで登録する事で、以下のような情報も把握する事ができます。
- 検索順位
- 検索ボリューム
Googleキーワードプランナーから取得された月間平均検索ボリュームの値です。 - ヴィジビリティ
検索ユーザーに対する可視性を表す度合です。高い程、多くの検索ユーザーに見られている事を意味します。 - SERP要素
強調スニペットやローカルパック、画像検索、動画検索枠など、通常のユニバーサル検索結果内で確保される特別枠をクエリごとにアイコンで示します。クエリの特性を把握したり、SERP要素向けの特別な施策を行う際の判断基準として使用できます。具体的な例は「より実践的なSERPチェッカーの活用方法」をご覧ください。 - トラフィック予測
現在の検索順位の一般的なクリック率と、そのクエリの検索ボリュームを掛けた値をトラフィック予測値として表示します。集客の目安として使用します。
興味がございましたら、SE Rankingでは2週間の無料トライアル版がご利用頂けますので、現状のクエリの順位や規模、SERP要素を把握してみてはいかがでしょうか。以下のページからトライアルアカウントを作成する事ができます。